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光本 勇介 著「実験思考 世の中、すべては実験」
出版:2019年5月19日
要約・所感
「ぼくにとって、すべてのビジネスは実験です」
そう語るのは、モノがキャッシュに変わるアプリCASHをリリースした株式会社BANKの光本さん。 本書では、光本さんがこれまでにどんなビジネスを行ってきて、どんな経緯でCASHが生まれたのか、 さらには今後光本さんが手掛けようとしているビジネスアイデアについて書かれています。
光本さんが最初にビジネスをし始めたのは高校生のときで、インターネットが発達していなかった頃にECのようなことを行っていたそうです。 この本を読むと、自分のできることで何かを始めてみたくなるはず。 先行きがわからない今の時代を楽しむためにも、この本を読んで、自分ができる小さなことから始めてみてはいかがですか?
僕が本書の中で特に印象に残ったのは次の5つ。
日本に車は6000万台もある。車を運転できる人は、ほぼ一人1台持っているくらいの計算になります。(中略) しかし、1日24時間を100%としたときに、車が利用されている「稼働率」は平均3%程度だということもわかりました。(中略) 起業するなら、この「カーシェアリング」だ、と確信しました。
STORES.jpができたのは、こんな経緯です。 ぼくは「インターネットの会社」をやっていたので、 友だちや親戚から「これをネットで売ってみたいからネットショップを作ってほしい」という相談を受けることがよくありました。 ただ当時は3~4人で4つのサービスを回していたので、ネットショップを作ってあげたいけれど、めちゃくちゃ忙しくてできなかったのです。(中略) でも、その思いには応えてあげたい。(中略)お店を作ってあげるのではなく、すぐにお店が作れるサービスを創れば需要があるはずだ。 そうやってできたのがこのサービスなのです。
(STORES.jpの)オーナーの管理画面上に「スピードキャッシュ」というボタンを設置することにしました。 そのボタンを押すと、翌日に売上が振り込まれるというサービスです。(中略)3.5%というのは決して安くない手数料なのですが、 これを設置した瞬間、みんな死ぬほど押してくれたのです。それが気づきになりました。 「世の中の人はこんなにすぐに現金が欲しいんだ」と。
全力で「普通の生活」をしていると、世の中は不便なことだらけだと気づきます。(中略) 多くの人があたりまえに受け入れていることも、一歩引いてみるとおかしいことはたくさんあります。 ビジネスチャンスは、デスクで頭をひねっていれば出てくるわけではありません。 全力で普通の生活をする。そこで、ふと気づいたことのなかにヒントがあるはずです。
「所有とシェア」の話でいえば、こんなサービスをやってみたいというアイデアがひとつあります。(中略) 世の中のあらゆる車の名義が同じだったら、すごく楽になります。 「車はいらない」と思ったら、アプリの「売るボタン」を押す。 その瞬間に他の1200万人はいるだろうユーザに向けて、「この車、出たけどいる?」と自動出品される。 そんな仕組みも可能です。
この本を読んで、自分はいかに物事を薄く捉えていたのだと思い知らされました。 その意味で、本書からたくさんの学びを得ることができ、世の中まだまだ可能性にあふれていると気づくことができました。 「実験思考」を手に入れて、今を全力で生きようと思います。