要約・所感
知り合いの方にミニマリスト・ミニマリズムに興味があると話したところ、この本を貸していただきました。この本と出逢って、ブロガー・ミニマリストしぶさんの考え方やこれまでの人生を知り、僕にとって有意義な一冊になりました。
本書では、月に100万PVの閲覧数を誇る人気ブロガー「ミニマリストしぶ」さんが、 暮らし・物・体(健康)・時間・思考・人間関係において実践してきたミニマリズムのルールが50個記されている。
しぶさんは、昔は裕福な家庭で育ち、周りが物で溢れていたという。 しかし彼は、中学生の時に両親が離婚し、シングルマザーの元で育てられ始め、貧乏な生活を余儀なく強いられるようになります。初めは、自分の境遇を不幸だと思い、将来お金を得るためにいい大学、いい会社に入ると決めて、 慶應以外の大学には行きたくないと意気地になっていたと言います。プライドが高かった彼は、二浪の果てに大学進学を諦め、フリーターとして生きるようになりますが、このとき人生諦めモードになっていたといいます。
そんな彼は、ある日、一人暮らしを夢見て、収入が少なくても一人暮らしできる方法を探そうと、 Google検索で「冷蔵庫 なし」を調べる。これが彼の転換期だったと思う。 そこで調べた結果は、いわゆるミニマリストの生活が載っており、「物では幸せになれない」ことを突き付けられたそうです。
僕が本書の中で特に共感したルールは次の5つ。
p43:テレビを楽しむコツはテレビを持たないこと
テレビ番組はテレビでなくても見れる時代。これは僕も実感しているが、テレビのコンテンツは「見逃し配信」で観ることができるし、 そっちで観た方が1時間だけしか時間を消費しなくて済む。また、見逃し配信の広告はスマホで一人で観ることを想定されているため、 尺の長い広告は滅多に流れない。その意味でも、テレビを楽しむコツはテレビを持たないことかもしれない。
p69:JCBの調査「キャッシュレス派は現金派より2.7倍も多く貯金している」
現金は誰でも使えるが、キャッシュレス決済を使うには工夫と知識がいる。 日常生活の中で「もっとよりよく」と考えているかという意識がなければ、キャッシュレス決済を使うのは面倒だ。 面倒なことを乗り越えてでも、日常をより良くしたいと思えるかどうかは、人生の質に大きく関わってくる気がする。
p85:自分目線で「協調」すべき点を決める
シンプルとミニマルは違う。スマホのカメラの「ポートレートモード」で撮った写真が美しいのは、 自分が撮りたい、自分が見たいものだけに焦点が合って、それ以外はボケて見えなくなっているからで、 ミニマルはこの感覚に近いと思う。自分が大切なもの、こだわりたいものに焦点をあてて鮮明に描いていく人生を歩んでいきたい。
p104:その答えは、「消費する側ではなく、生産する側にまわる」ことだ
消費することで心が満たされるのは「一瞬」だけであり、生産することで心が満たされるのは「しばらく」続く。 また消費することで心を満たすことは承認欲求と結びつきやすいが、生産することで心を満たすことは自己完結するので、 誰かを羨んだりすることもない。消費する側ではなく、生産する側に回ることで、人生は楽しいものになる、そんな気がしている。
p175:「これで十分」はけっして妥協ではなく、自分の人生をコントロールするために必要な物差しである
単なる節約だと長続きしない。また、お金をつぎ込んでも必ず満足できるとは限らない。 自分が満足できる物差しを持っておくことは、人生をよりよく生きるための必要条件かもしれない。ミニマリズムとは、ありのままの自分を愛し、今を全力で生きる哲学であると感じた。 ミニマリスト=モノを持たないと思われがちだが、彼らは「シンプル」な生活を望んでいるわけではない。 彼らは自分が大切なもの、好きな物を知っており、それ以外のものを削ぎ落とすことで強調させている。
幸福とは何か?生きるとは何か?そんな哲学的な追求こそがミニマリズムであり、ミニマリズムは現代における哲学なのかもしれない。
書籍紹介
手ぶらで生きる~見栄と財布を捨てて自由になる50の方法~
月間100万PVのブロガーが提唱する「手ぶら」の生き方。家賃2万円の四畳半ワンルームで暮らし、財布を持たずに定番物を選び、1日1食で食事。自分の時間を大切にし、執着や恩への束縛を避け、利益をもたらす人との関係を重視する。