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尾原 和啓 著「あえて数字からおりる働き方」
出版:2020年7月7日
要約・所感
2020年、新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)がパンデミックを起こし、 ソーシャルディスタンスや対面での着座禁止など様々な変化をもたらしました。 そんな中で、人とのつながり方も大きく変わろうとしています。本書では、 個人と個人がオンラインでつながっていくことについて書かれていますが、まさに今ウィズコロナで言われていることと同じだと感じました。
オンラインで人と繋がる方法
まず人と繋がるためには、
1:相手を認識する
2:相手を知る
3:相手を信頼する
の3つのことが必要です。
これまでは、同じ空間を共有することによって相手を認識し、何度か会うことでお互いのことを知り合い、 相手を信頼することによって、人と繋がってきました。しかし、コロナの影響で人と会うことを避けなければならなくなり、 必然的にオンラインを通じた活動が中心となっている今日では、この方法で人と繋がることが難しくなりました。
本書ではオンラインにおける人とのつながり方に言及されており、今回ウィズコロナ・アフターコロナにおける人とのつながり方に応用してご紹介します。 (※コロナに関することは必ず1次情報である公的機関で発表されている情報をご確認ください)
ウィズコロナ(オンラインベース)で人と繋がる方法として、以下の方法があります。
1:相手を認識する
オンラインサロン内、同じ趣味・ライフサイクルのコミュニティ内、実行委員会やNPO法人など同じ活動をしている 組織内で相手を認識する。これまで同じ空間にいることで認識できていましたが、自分が所属しているコミュニティや組織、 いわゆる肩書きを通じて、相手を認識します。
2:相手を知る
SNSの発信内容やプロフィール、SNSでフォローしている人、SNSのフォロワーによって相手を知ることになります。 これまでは何度か会って話をすることで、相手のことを知れましたが、国民総発信社会の今ではSNSの投稿で 相手のことを知ることができます。フォロワーが少なくて閲覧数が少なくても、SNSに投稿する意味を持ちます。
3:コメントや返信を行う
誰かからコメントをもらうと、その人のことを特別視しやすくなると思いますが、何度も相手の投稿にコメントや リプライ(返信)することで、相手は自分を少しだけ特別視します。そして機会があったときに、お互いに思い出しやすくなり、 その人との繋がりが強固なものになります。
自分の武器を見つけるには
人と繋がることは生きていくうえで欠かせませんが、これまでの常識が崩れて正解のない時代においては、 個人が武器を身に着けていかなければなりません。本書では、日々の中で次の3つのことを実践していくことで、 自分の武器が身についていくといいます。
まず相手に対して自分が貢献できることをすること(=ギブ)。自分に対する信頼と興味を持ってもらって、 それが武器になっていきます。次に、相手が求めていることをする。相手に求められることをすると、 相手から任せられやすくなり、自由度が増えます。本書では自由度が増えることも武器につながっていくといいます。 最後に、没頭して時間を忘れるぐらい楽しむこと(=努力の娯楽化)。没頭することで本当に自分が好きなことが見えてくるので、 それが武器に繋がっていきます。
さらに、上記のことを実践して見つけた自分の武器を伸ばしていくには、次の3つの原則が有益です。
1:手の中の鳥の原則
これは、「青い鳥を探し回った挙句、部屋に戻ると鳥かごの中に青い鳥がいた」という比喩表現で、 もともと持っている自分の能力、専門性、人脈などを認識も武器であるということを意味します。 まずは、自分の立場や得意なことを把握することが大切です。
2:許容可能な損失の原則
これは「損失を許容可能にする」すなわち「失敗(リスク)をすぐに立ち直れる程度に設定する」ということであり、 初めから大きな挑戦をするのは避けるべきだということ。そうすることで、大量の資産(お金・時間)を失うことなく、 挑戦し続けられるというわけです。
3:レモネードの原則
これは、「渋いレモンをレモネードにしたら美味しかった」という比喩表現で、一見失敗だと思えることでも、 それが成功に繋がることもあるということ。例えば、ソフトバンクのお父さん犬は、CM制作の納期が迫ってきていて、 起用するタレントが見つからなかったため犬を起用したそうだが、それが逆に人気を得ている。
先行きが読めないこれからの時代を生き抜くためにも、人とのつながりを大切にしながら、自分の武器を磨いていきたいですね。