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尾原 和啓 著「あえて数字からおりる働き方」
出版:2020年7月7日
要約・所感
何者かになるためには情報収集と日ごろの生活が重要だということも本書では書かれています。 誰でも情報発信ができる時代に最適な情報検索のコツや、何者かになるために日々心掛けることについて、以下にまとめました。
1億総発信時代の情報検索のコツ
誰でも情報を発信できるようになり、うまく検索しないと欲しい情報が見つけられなくなってきています。 本書では、著書の尾原さんが実践されている情報検索のコツのうち、いくつか紹介されており、その中から3つを紹介します。 情報はただ検索すれば、役に立つ情報が手に入るわけではなく、ひと工夫を加えないと 自分にとって役に立つ情報と出逢えるのが少なくなっていくそうです。ここで紹介する方法を使えば、 自分に役に立つ情報を見つけやすくなると思います。
まず一つ目が、元ネタを追うということ。例えばTwitterでは、 自分にとって有益な情報を投稿している人がフォローしている人を遡っていけば、いち早くその情報にたどり着きやすくなります。
次に、好みが近い人を見つけるということ。食べログなどで好みが近いユーザーをメモしておき、それを繰り返しているうちに、 「このユーザーの情報は自分に合う」ことが分かり、自分にとってハズレを引く可能性が減ります。
3つ目に、ざっくりとした内容から詳細な内容を知っていくということ。本書では尾原さん流の本の読み方が紹介してあり、 気になるキーワードからベストセラーや高評価の本を探し、ネット上で書評を読んで広く把握し、 それを繰り返して基礎的な知識を身に着けてから、本当に深く知りたいことに対して本を読んで知識を深めていくと、 効率よくインプットができるそうです。
完全にマネすることはできないかもしれませんが、複数の情報源から自分なりに工夫して情報を収集する姿勢は見習いたいですね!
何者かになるために必要なこと
ほとんどの人が"何者かになる"と聞いたとき、フォロワーを増やしたり、トップを目指したりすることだと思うでしょう。 しかし、本書では「何者かになる」ということは決して数字を追うことではなく、目の前の誰かにとっての "何者か"になることを繰り返して、多くの人にとっての何者かになっていると述べられています。 この章では、身近な誰かにとっての"何者か"になるための心掛けをご紹介します。
まず、誰かにとっての"何者か"になるためには、相手と1:1の信頼を築いていかなければなりません。 そして、この信頼を築いていくためには、ギブ(貢献)が必要であり、ギブ(貢献)には2種類あると本書では述べられています。 まず一つ目は、自分が得意なことで貢献すること。 二つ目は、相手の視点に立って貢献できることを考え、それを実行すること。 相手の視点に立ち続けると、自分の視点も広がっていき、より相手への想像力も高められるといいます。 その結果、さらに相手との信頼感も高めていけます。これは仕事だけでなく、交友関係や恋愛関係にも当てはまるといいます。
では日常生活の中で、具体的にどうすればいいのでしょうか?
例えば、ネットでニュース記事などを読んだときに、「そういえばあの人はこれで困っていたな。この記事を共有してあげよう」と思って 共有することも有効だといいます。また、質問をすることは相手の視点に立つためにも、相手が自分(聴衆)の視点を手に入れるためにも有効で、 誰も損しないといいます。話をしている側にとっては、聴衆の視点(理解できているか、興味関心に沿えているか等)を手に入れることで、 より話しやすくなりますし、話を聞いている側にとっては、話者の視点(話し手の経験や考え)を深ぼっていくことができます。
誰かにとっての"何者か"になるのは、日常の些細なところから始まっていくのかもしれないですね。