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箕輪 厚介 著「かすり傷も痛かった」
読了日:2024年8月26日
4.5
読書ノート
要約・所感
本書は、2018年に出版された「死ぬこと以外かすり傷」から5年が経って、箕輪さんが加筆修正する形で書かれた本です。
2018年といえば、当時はビジネス書ブームで、「仕事で成果を出して、お金を稼ごう」という仕事論の強いメッセージが盛り上がった時期でもありました。
しかし時代が進み、2024年の今、税金や社会保障が上がる一方で、給料は変わらず、おまけに世界情勢が不安定で燃料価格が高騰し、それに伴って物価だけが上がる始末。
多くの人は「なんとかしたい」と思いつつも、2018年の当時のようなビジネスを立ち上げて、ガンガンお金を稼ごう的な雰囲気は感じられません。
そのような時代変化の中、箕輪さん自身も、週刊文春に女性問題が告発され、それまでの影響力がなくなり、仕事について改めて見直す機会になったといいます。
本書では、その思考整理も含めて、当時書いた本の内容を、著者自ら加筆修正しており、仕事論だけでなく、人生論・幸福論も合わさった完全版としてリニューアルした本になったと思います。
仕事で成果を出すことでお金を稼ぎ、豊かな人生を送るーー。
しかし、心理的な側面から、株と同様、多くの人は人生も利確(利益確定)ができず、豊かな人生とは対照的に転落する人も多いのも現状です。
仕事は人生の一部。
たまには脱競争論で、自分なりの生き方を模索し、自分なりの幸せを見つけることが、豊かな人生を送る上で、大切なことかもしれませんね。